優しさと冷酷さ

　チェリア=リールムだよ。
　管理人は何処へ行こうとしているのか…フィリと2人で考えているの。

　ライムが見たのは雪と氷に閉ざされた世界だった。
　手に入れた優しさは奪われ続けたの。
　それが創造主の意思だなんてチェリアは思いたくないけれど、それが現実だった。

　管理人が見たのは意地悪が正義とみなされる世界。
　優しさは裏切りという形で奪われる。
　管理人の場合、家族との関係が良くなかったの。

　自分の事で手一杯の人は仕方がないと言っていたな。
　けれど、他人に目を向けられる人が自分の事しか考えていなかった。
　自分の苦しみを無理矢理にでも理解させようとするくせに他人の苦しみを理解しようとはしない人。
　自分の思い通りにならないとすぐに疳癪を起こすとも言っていた。

　そんな人がすぐ傍にいると考えただけでチェリアは嫌になる。
　だから管理人は外に出たがるの。
　その人とは目を合わせたくない…それだけなんだけれどね。
　けれど、チェリアは管理人を責められない…そう思うのは当然だから。

　今は優しい人が傍にいるから救われている。
　血の繋がりよりも心の繋がり…それが、管理人の正義。
　血縁者というだけで好きにしていい訳ではないからね。
　実際、家族に殺された可哀想な人もいるそうだし。

　どうしてそういう事が出来るのかな？
　ルルクよりも酷いよ。
　理由がある分、彼女の方がまし。
　自分の想いだけで誰かを傷付けていい訳ではない事くらい、誰にでも判る筈なのに…

　だから、自分の心を大切にしてあげて。
　それが出来なくなると人は壊れるしかないの。

　今日はこの曲だよ。



　崩壊と再生、この曲はどちらに向かっているんだろうね？